【合格者が語る】上級医療情報技師の試験・面接対策

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上級医療情報技師という資格はご存知だろうか。

医療情報技師育成部会の提供する資格試験で、医療や情報処理技術の知識・技術を身に着けていることを認定するものだ。その内容から医療施設や医療系ベンダーの方が多く挑戦する資格となっている。

認定する資格は3つあり、基礎知識検定→医療情報技師→上級医療情報技師の順となっている。(基礎知識検定は飛ばしても良い)

今回は、以前合格した上級医療情報技師の試験について記載する。上級医療情報技師認定試験は毎年200名程度が挑戦するが、合格率が2,3割と中々の難関となっている。

なお上級医療情報技師の定義は以下の通り。

保健医療福祉の質と安全の向上のために、幅広い知識と豊かな経験を背景として、全体最適の観点から保健医療福祉分野の情報化と医療情報の利活用を総括的に推進できる医療情報技師

医療情報技師育成部会 上級医療情報技師の定義

ちなみに「こうすれば合格する!」というハウツー的な内容ではないので留意してほしい。実力ある人が、当日の緊張や不安で実力を発揮できないのはもったいないので情報提供する形だ。


試験内容

試験は4つの構成になっている。

  1. 午前試験(マークシート)
  2. 午後Ⅰ試験(マークシート+記述)
  3. 午後Ⅱ試験(小論文)
  4. 面接


午前試験(マークシート)

診療報酬、厚労省の通知、医療情報システムの導入、マネジメント、情報系と多岐にわたるが、情報系の出題がやや多いといった印象だ。

過去問と解答が公開されているので試験勉強にはそれを使うとよい。(以前は公開されていなかったと思う)

https://www.jami.jp/jadite/new/senior/s-mon.html

午後Ⅰ試験(マークシート+記述)

マークシートと記述の割合は半々といったところ。

宣言・ガイドラインの穴埋め、統計、ネットワーク、インシデントへの対策立案とこちらも多岐にわたる。午前試験同様に過去問が公開されているので、試験勉強にはそれを使う。


午後Ⅱ試験(小論文)

論説やガイドラインがテーマとして出題されて、それに対しての自身の考えを1,200字~1,500字で論述する形になる。こういったテーマが出るというのはないので、事前対策は難しい。

敢えてポイントを挙げるとすれば「上級医療情報技師」の論文なので、個人や単独の部門で取り組む・対策するといった内容ではなく、複数の職種やチームとしてどう対応するか、教育や育成も含めてどうすればよいか?という内容が求められているように思う。


面接

以前は、過去の経験をスライド形式2枚でまとめる論文1というのがあり、それと職務経歴書を使った面接だったが形式が変わったようだ。現在は活動履歴書にもとづく面接となっている。とはいえ内容はあまり変わらないと思う。

3名の面接官がいて、それぞれ別の経歴、立場のようだ。進行役、メインの質問役、サブの質問役といった形だ。

ポイントとしては、自分が主体(リーダー)で行った活動を話すこと。活動の規模(大小)にはこだわらなくてよい。

ちなみに規模の大きな話のほうがよいかと思い、一度自身が主体でなかった活動について話したが、30分の面接の間に見事に指摘され落ちたので止めておこう。

その活動でどんな問題・苦労があって、チームや周囲を巻き込んでどのように解決したか、自分自身の経験を語るとよいと思う。また閉じた組織だけではなく、その活動、経験を通じて医療全体の質と安全にどう貢献するのか将来展望も語ろう。思いが大切だ。

質疑応答では、相手は自分と違う経歴、立場だというのを意識しよう。つい普段のように前提を省いたり、専門的な単語で答えがちだ。相手の質問の意図を理解して、相手が分かる言葉に噛み砕いて伝えよう。面接もコミュニケーションだ。


まとめ

タイトルに試験対策と書いたが、事前の対策が難しいのが本試験だ。普段から医療業界の動向をチェックしたり、チームとしてどう対策するか、情報技術をどう活用するか?を考えているとよいだろう。

合格は難しいが、医療情報業界で頑張っている人がそれを資格として見える形で受け取れ、自身の経験・知識の整理にもなるので良い試験だと思う。

ぜひ次回の上級医療情報技師試験では合格を目指してほしい。

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